1週間で“アイデアを形に”─NECのDX事業部門メンバーが語る、スパルタ式研修の成果
アイデアを素早く形にし、実務に落とし込む力──それは今、多くの企業にとって競争力を左右するスキルとなっています。とくに、MVP(Minimum Viable Product)を用いた迅速な検証と事業化が求められる時代において、現場主導での実装力の育成が企業の成長を左右する重要なテーマとなっています。
今回お話を伺ったのは、NECインフラDX事業部門で技術戦略を担う池田さん、大久保さん、戸坂さんの3名。TeamSpartaの「MVP開発研修(サービスプロトタイプ開発)」を通じて、わずか1週間でMVPを完成させるというチャレンジに挑みました。
本記事では、彼らがどのようにして短期間でプロトタイプを完成させ、現場で即戦力となるスキルを習得したのかを詳しくご紹介します。「現場起点」で事業を推進したいと考える方にとって、ヒントが詰まったインタビューです。
今回の研修を導入された背景
インタビュアー(以下、スパルタ):
本日はお時間をいただきありがとうございます。まずは今回、TeamSpartaの「MVP開発研修」を導入された背景について、池田さんからお話しいただけますか?
池田さん:
私たちの部門は、新規事業を推進することを主なミッションとしており、その中で「MVPをどうすればもっと効果的に、手軽かつスピーディに作って検証を重ねていけるか」という課題を強く感じていました。そうした課題を解決できる手段を探していたときに、TeamSpartaさんと出会い、相談させていただいたのが今回の研修導入のきっかけです。
他社の研修もいくつか検討しましたが、決まった内容をそのまま提供する形式や、かなり技術寄りで重めのプログラムが多い印象でした。その点、TeamSpartaさんは弊社の業務や実務環境に合わせて柔軟にカスタマイズしてくれたので、「これならうちでも現場で活かせる」と感じられたのが、導入の決め手になりました。
また、研修というのはやはり「実際に使ってこそ身につく」と思っていたので、短期間で自分が作りたいものを形にできる構成には魅力を感じました。会社名にもある「スパルタ」という言葉からは、正直「厳しく鍛えられるのでは」と少し身構えていましたが、実際には、優しく寄り添ってくれる「伴走者」のような存在で、安心して取り組むことができました。
スパルタ:
研修の中身はもちろんですが、その前段階、つまりNECさんならではのシステム環境やセキュリティ体制に合わせて事前準備を行うプロセスで、何度もすり合わせさせていただきました。その点についてのご感想はいかがでしたか?
池田さん:
大企業あるあるかもしれませんが、社内のセキュリティ体制がかなり厳しく、外部と接続してMVPを開発する環境を整えるのは、何重にもハードルがありました。その点についても、TeamSpartaさんと「どうやって進めたらいいか」を都度相談しながら、一つずつ乗り越えていけたのは本当にありがたかったです。スケジュールも柔軟に調整していただきながら、自社の環境に合った形でしっかり実施できたことは大きな成果だったと思っています。
未経験でも、初めての開発体験を乗り越えた
スパルタ:
ここからは、実際に研修を受けてみてのご感想についてお聞きします。今回は、Pythonベースの「Streamlit」を使って、MVPアプリを開発するという内容でしたが、戸坂さんと大久保さんは、いわゆる「非エンジニア」としてご参加いただいたと伺っています。まずは、受講前の印象や不安についてお聞かせください。
戸坂さん:
私は文系出身で、これまでプログラミングに触れたことがまったくなかったので、「本当に自分についていけるのか」という不安がかなり大きかったです。正直、開発に挑戦する自分がイメージできませんでした。
でも、いざ研修が始まってみると、サンプルコードや動作の説明が資料に丁寧に用意されていて、知識がなくても理解しやすい構成になっていました。途中でエラーが出て戸惑うこともありましたが、その都度Zoomで画面を共有して講師の方にフォローいただけたので、安心して取り組むことができました。
スパルタ:
ありがとうございます。大久保さんも営業職としてご活躍されてきたとのことですが、今回のような開発研修に対して、どのような期待をお持ちでしたか?
大久保さん:
そうですね。私は営業領域でずっとキャリアを積んできたので、普段の業務でコードを書くことはまずありませんでした。ただ、個人的に少しだけプログラミングを触ったことがあって、「どれくらい簡単にMVPが作れるのか」という部分に興味を持って参加しました。
スパルタ:
実際に受けてみて、印象はどうでしたか?
大久保さん:
予想以上に簡単にWebアプリを作ることができたのが一番の驚きでした。特に、ChatGPTなどの生成AIと連携しながら、自分一人でもある程度完結できたのは新鮮でしたね。初歩的な内容とはいえ、「自分で何かを作った」という実感が得られたことに、大きな達成感がありました。
想いを形に──実践形式だからこそ得られた、3人のオリジナルMVP体験
スパルタ:
研修の後半では、「自分が作りたいもの」を1週間で形にするプロジェクト期間が設けられていました。ただ学ぶだけでなく、「やりたい」を実装まで持っていくという実践的な形式に挑戦していただきましたが、まずは池田さんから、制作されたプロジェクトについて教えていただけますか?
池田さん:
はい。私は、複数の生成AIプロンプトをまとめて入力し、一括で結果を取得するアプリを作りました。技術戦略を担当する立場として、AIを使って事業検証を効率化できないかという課題意識がありました。毎回プロンプトを1つずつ入力するのが手間だったので、それを自動化できれば便利だと思ったのが着想のきっかけです。
スパルタ:
なるほど、それはまさにAIエージェント的な発想ですね!プロンプトを多段階で処理していく流れは、私たちとしても予想以上に高度で、非常に印象に残っています。開発の過程では、どんなサポートが印象に残っていますか?
池田さん:
設計の大枠よりも、「このエラーはなぜ出るのか」といった細かな技術的な詰まりに対応してもらえたのがすごく助かりました。まだ改善の余地はありますが、MVPとしては十分に“形”になったと思っています。
スパルタ:
ありがとうございます。では次に、大久保さんも、制作されたアプリについて教えてください。
大久保さん:
はい。私は、夫婦間の家事分担を見える化し、未実施の家事を自動で通知するアプリを作りました。家庭内で「どちらがどれだけ家事をしているのか」が曖昧になりがちなので、それをフェアに、客観的に可視化したいと思ったのが出発点です。
最初は「こんなものができたらいいな」というアイデアレベルだったんですが、講師との1on1で機能の優先順位やAI活用のアイデアを一緒に整理できたことで、具体的な設計に落とし込めました。 結果的に、思った以上に短期間で完成させることができ、自分で作ったという達成感も大きかったですね。
スパルタ:
ありがとうございます。「記録と可視化で家庭内のコミュニケーションを改善する」という着眼点がとてもユニークでした。それでは最後に、戸坂さん。制作されたアプリについてご紹介ください。
戸坂さん:
私は、夜道で暗い・危ないと感じる場所や、ネズミがよく出るエリアなど、自分が避けたい道をマップ上に可視化するアプリを作りました。日常的に感じるちょっとした不安を、テクノロジーで解消できたら面白いなと思って、地元の街を安心して歩けるような仕組みに挑戦しました。
スパルタ:
ありがとうございます。「ネズミが出る道は避けたい」という個人的な課題から生まれたアイデアというのがとてもリアルで印象的でした。実際に触ってみたときも、地図でルートが可視化されていて、完成度が高かったです!初めての開発で苦労もあったかと思いますが、サポートについてはいかがでしたか?
戸坂さん:
はい、プログラミング未経験だったので、途中でエラーも多発して正直くじけそうになったこともありました。でも、1on1では「何を優先して作ればいいか」を丁寧に整理していただき、メールでも何度もサポートしてもらえたので、安心して進めることができました。1週間で本当にできるのか不安もありましたが、最後までやりきれたことは大きな自信になりました。
池田さん:
正直、期限がなかったら誰も完成していなかったかもしれません(笑)。締切があったからこそ集中できましたね。
スパルタ:
本当にそうですね!あの1週間の集中力と追い込みは、私たち講師にとっても強く印象に残っています。
戸坂さん:
本当にそう思います。「初心者でもやりたいことを形にできた」という実感が、この研修の一番の収穫でした。
今後の業務活用と人材育成への期待
スパルタ:
最後に、この研修で得たスキルを今後どのように活かしていきたいとお考えですか?
池田さん:
事業開発を進めていく上では、やはり新しいアイデアを「軽量に試す」ことが非常に重要だと思っています。プロトタイピングの段階で早く仮説検証できれば、余計な投資やリスクを抑えながら、スピーディーに進められる。今回学んだMVP開発の手法は、まさにその実践に役立つと感じました。
今後は、今回得た知見をチーム内だけで留めずに、他の下部組織や担当者にも広く展開していきたいと考えています。特定のメンバーに頼るのではなく、チーム全体として「作って検証する」力を持てる組織を目指したいですね。
スパルタ:
ありがとうございます。今回のような研修を通じて、MVPにとどまらず、さらに広いスキル開発も必要だと感じられましたか?
池田さん:
そうですね。MVPだけで完結する話ではなくて、実際の業務や顧客課題に対応するには、他にも必要なツールやスキルがいろいろあります。
でも、それらをすべて一度に学ぶのは現実的ではないので、業務やプロダクトのフェーズに合わせて、柔軟にカスタマイズされた学びが得られる環境があると非常にありがたいなと感じました。
スパルタ:
ありがとうございます。最後に、このような研修スタイルは、どのような方や企業におすすめできそうでしょうか?
池田さん:
普段、研修を受けても「結局、実務ではどう使えばいいのか分からない」と感じる方は多いと思うんです。そういった方にこそ、この研修のような実践型・プロジェクト型のスタイルはおすすめです。今回私自身、「MVPを自分で作れるようになった」と言えるようになったのが、すごく大きな変化でしたし、実際に「こんなことができるならMVP開発の業務を任せてもらえませんか?」と周囲に提案できるようになったのも、研修の効果だと思っています。
まとめ:アイデアを「自分で形にする力」を育てる、スパルタ式MVP開発研修
本インタビューでご紹介したNECインフラDX事業部門の皆さんは、単なる知識習得ではなく、「自ら考え、手を動かし、価値を形にする」という体験を通じて、MVP開発の実践スキルを短期間で身につけられました。
文系出身・営業職など、開発未経験のメンバーが多い中で、1週間という短期間でオリジナルのアプリを完成させることができた背景には、「自分のアイデアを実装する」ことにフォーカスした実践型の研修設計と、講師による丁寧な伴走サポートがありました。
今回の事例は、NECという社会課題解決の最前線に立つ企業において、「DXを進めるための人材育成」として、どのような研修が現場で求められているかを示す象徴的なケースとなりました。
TeamSpartaでは、お客様の課題や環境に応じて、フルカスタマイズでの研修設計や、社内システム・セキュリティに合わせた事前準備にも柔軟に対応しています。
また、今回ご紹介した「サービスプロトタイプ開発コース」は、弊社の生成AI人材育成体系の中で、「ステージ4:事業開発レベル」に位置付けており、レベルに応じた様々な生成AI研修を提供しています。
ご要望に応じて、その他のコンテンツと組み合わせた体系的な人材育成プログラムのご提案も可能です。
ぜひ貴社のDX・人材育成にお役立てください。