ISCOが挑んだバックオフィス改革ー生成AI活用は組織全員の当たり前に!

一般財団法人 沖縄ITイノベーション戦略センターの人事総務系 バックオフィス部門が、TeamSpartaの「生成AI活用研修」を通じてどのように組織変革を進めたのかをお届けします。
TeamSparta's avatar
Oct 15, 2025
ISCOが挑んだバックオフィス改革ー生成AI活用は組織全員の当たり前に!
いま多くの組織に求められているのは、単なるデジタル化ではなく、「全員が生成AIを自在に使いこなす組織文化」をつくることです。個々のスキルに依存するのではなく、部門全体で同じ基盤を持ち、改善を自ら生み出せる人材を育成することこそが、持続的なDX推進の鍵となります。
今回お話を伺ったのは、一般財団法人 沖縄ITイノベーション戦略センター(ISCO:イスコ)の人事総務系バックオフィス部門の皆さん。TeamSpartaの「生成AI活用研修」を導入し、3名の小規模スタートからメタバースでの発表会を経て、バックオフィスメンバー全員を対象に展開しました。
本記事では、彼らがどのように生成AIを「当たり前の道具」として根付かせ、組織全体の意識とスキルを底上げしたのかを詳しくご紹介します。「AIネイティブな組織」への変革を目指す方にとって、多くのヒントが詰まったインタビューです。
一般財団法人沖縄ITイノベーション戦略センター(ISCO)様
一般財団法人沖縄ITイノベーション戦略センター(ISCO)様

今回の研修を導入された背景

インタビュアー(以下、スパルタ):
本日はお時間をいただきありがとうございます。まずは今回、TeamSpartaの「生成AI活用研修」を導入された背景について教えていただけますか?
上地さん(人材開発セクション セクションマネージャー):
私たちの組織では、紙から電子化へは進められていたものの、その後の業務効率化が課題でした。例えばデータを扱うスキルに個人差があり、生成AIやExcel,マクロを使える人・使えない人で精度や効率にばらつきが出ていました。組織全体で標準化し、スキルを底上げする必要があると感じていたのが大きな背景です。
 
上地さん(人材開発セクション セクションマネージャー)
上地さん(人材開発セクション セクションマネージャー)
 
照屋さん(経営企画・管理セクション):
私自身も、PDFの経費明細を目で見ながらExcelに一件ずつ入力するという非効率な作業を長年続けていました。時間がかかる上にミスも多く、チェックの手間もかかる。こうした課題を解決するには、新しい仕組みや技術の導入が不可欠だと考えていました。

なぜ「スパルタ式研修」を選んだのか

スパルタ:
他にも教育プログラムの選択肢があったかと思いますが、その中で「スパルタ式」を選んだ理由は何でしょうか?
上地さん:
一番の決め手は「短期間で必ずアウトプットを出す設計」でした。2週間という期限の中で、課題提出から成果発表までをやり切る仕組みは、現場に直結した学びを定着させるのに最適だと感じました。単に知識を学ぶ研修ではなく、業務改善につながる成果物を残せる点が大きな魅力でした。

小さなスタートから全社展開へ

スパルタ:
最初は3名から研修を始められたと伺いました。その狙いは何だったのでしょうか?
上地さん:
いきなり全員で導入するのは正直リスクが大きいと感じました。アウトプット量が多い分、途中で挫折するのではという不安もあったからです。そこで、まずはやる気のある3名で小さく始め、実際に成果が出せることを確認してから全体に広げました。「まずやってみて、ダメなら次の方法を探せばいい」というアジャイル的な考え方でした。
💡補足:「アジャイル」とは?
「完璧な計画を立ててから動く」のではなく、
小さく試し、改善を繰り返しながら最適な形を見つけていく考え方。
ソフトウェア開発の手法として知られていますが、近年は業務改善や人材育成の現場でも広く活用されています。

メタバース発表会で広がった熱量

スパルタ:
初回研修の後、社内でメタバース発表会を実施されたそうですね。反応はいかがでしたか?
仲田さん(人材開発セクション):
発表を見て本当に驚きました。受講前はITが苦手だと思っていた同僚が、VBAやChatGPTを使いこなしてシステムを組み上げていたんです。業務と並行してここまで仕上げられるのかと感銘を受けました。
上地さん:
発表会では「自分の業務にも応用できるのでは」という声が多く上がりました。成果物を実際に目にすることで、現場に具体的なイメージが広がり、部門全体への導入を決めました。
 
メタバース発表会の画面
メタバース発表会の画面
プロジェクト発表スライド
プロジェクト発表スライド

実務での具体的な改善

スパルタ:
ここからは部門全体研修を受講していただいた皆さんにお聞きします。 実際の業務でどのような改善が生まれたのか、具体例を教えていただけますか?
照屋さん:
PDF明細を手入力していた作業をVBAで自動化し、2〜3時間かかっていた処理を10分弱で完了できるようになりました。生成AIと対話しながらエラーを修正し、最終的にやり切れたのは大きな成功体験になりました。
仲田さん:
私は社内チャットの通知とポータル掲示を自動で連携する仕組みを作りました。小さな改善ですが、通知ミスによる問い合わせが減り、影響は大きいです。発表会という場があったからこそ、仕上げに力を入れることができました。
國仲さん(経営企画・管理セクション):
自分はタスク管理表とOutlookを連携させ、期限前に自動リマインドする機能を作りました。AIにコードの意味を質問しながら学んだことで、失敗を恐れず新しいことに挑戦できるようになりました。
 
國仲さん(経営企画・管理セクション)、仲田さん(人材開発セクション)
國仲さん(経営企画・管理セクション)、仲田さん(人材開発セクション)

組織に起きた変化

スパルタ:
研修を通じて、組織にはどのような変化がありましたか?
大濵さん(経営企画・管理セクション セクションマネージャー):
「まずはAIで試してみよう」という空気が生まれたのが大きいです。面倒な業務に直面しても、自然に「AIを使って改善できるのでは」と会話できるようになりました。チーム全体のITリテラシーが底上げされた実感があります。
上地さん:
「まず自分で試し、そこから相談する」という姿勢が広がり、コミュニケーションの質も上がりました。失敗を恐れずプロトタイプを作る文化が育ったことが一番の成果です。
 
大濵さん(経営企画・管理セクション セクションマネージャー)
大濵さん(経営企画・管理セクション セクションマネージャー)

今後の展望と他社へのメッセージ

スパルタ:
今後、生成AIの活用や教育についてどのような方向性を考えていますか?
大濵さん:
今後は全職員参加のキックオフで「AIを活用した業務改善ワーク」を予定しています。まずは自分たちが現場で使えるようになり、将来的には県内企業にも広げていきたいです。
上地さん:
生成AIはインターネット登場時に匹敵するインパクトがあると思います。怖いものではなく便利な道具として、まずは小さな範囲で使ってみることが大切です。
スパルタ:
最後に、これから生成AIの導入や人材育成を検討している方へのメッセージをお願いします。
上地さん:
はい。やはり便利さをもっと知ってほしいと思っています。生成AIは決して特別なものではなく、日常の業務をシンプルに、便利にしてくれる道具です。まずは小さく試してみること、そしてその便利さを体感することが大切だと思います。怖がらずに、「まずはやってみる」という精神で導入していただければと思います。
大濵さん:
私自身、以前の組織では「自分の頭で考えずにAIに頼るのは良くない」という声を耳にしたこともあります。確かに全部を丸投げするのは望ましくありませんが、正しく使い方を学べばAIは非常に心強い道具になります。今ではインターネットで検索するのが当たり前になったように、AIも必須のツールになるでしょう。図書館に行って調べるより、ネット検索をした方が効率的だと誰もが認めるようになったのと同じです。ですから、ぜひ他の企業の皆さんにも積極的にAIを取り入れていただきたいと心から思います。

まとめ:業務改善を「自分の手で形にする力」を育む、スパルタ式生成AI研修

本インタビューでご紹介したISCOの皆さんは、生成AIネイティブな組織への変革によってバックオフィス業務の効率化を実現しました。 今回の研修では、単なる知識習得ではなく、「日々の業務課題を自ら考え、生成AIと対話しながら実装する」という体験を通じて、短期間で確かな成果を出すことに成功しました。
明細入力の自動化や社内通知システムの改善、タスク管理など、どれも現場の“困りごと”を自分の力で解決する実務的な成果です。そこには、アウトプットを重視した研修設計と、受講者が最後までやり切れるよう支える伴走サポートがありました。
TeamSpartaでは、お客様の業務課題や組織文化に合わせて、フルカスタマイズの研修設計や、既存システム・セキュリティ環境に対応した実装支援を行っています。
また、今回ご紹介した「生成AI活用研修(バックオフィス業務改善コース)」は、弊社の生成AI人材育成体系の中で「ステージ2:業務改善レベルに位置付けられ、他にもレベルに応じた様々な研修を提供しています。
TeamSpartaの生成AI人材育成のフレームワーク案
TeamSpartaの生成AI人材育成のフレームワーク案
ご要望に応じて、その他のコンテンツと組み合わせた体系的なDX人材育成プログラムのご提案も可能です。
ぜひ貴社のDX・人材育成にお役立てください。

インタビュー動画はこちら

 

お問い合わせ先

 
Share article