PBL研修とは?企業が選択する実践型研修のすべて

実務にすぐ適用される教育が必要ですか? 企業がPBL教育を選択した理由と効果、実際の適用事例まで今見てください。
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Sep 05, 2025
PBL研修とは?企業が選択する実践型研修のすべて

PBL研修とは何か?

最近、企業研修市場で最も注目されているテーマは「成果重視の実践型研修」です。知識だけを伝える従来の講義形式の研修では、急速に変化する業務環境に対応するのが難しいという認識が広がり、研修方法そのものを根本から変える必要があるという声が高まっています。
特にデジタルトランスフォーメーション(DX)とAI技術の導入が加速する中、企業は問題解決力と協業能力自己主導型の学習態度を備えた人材をますます求めています。このようなニーズに効果的に対応できる方法として、PBL研修(プロジェクトベースドラーニング)が自然に注目されるようになったのです。
PBL研修は、参加型学習を通じて実際の業務と近い状況で問題を解決しながら学ぶ方法です。業務への取り組みの深さだけでなく、教育効果が実務に定着しやすいため、教育投資対効果(ROI)を重視する企業で急速に採用されています。
さらに、理論だけを学ぶことに疲労感を覚えるZ世代*の学習スタイルとも相性が良いことから、現在は企業だけでなく大学、公共機関、職業教育現場まで適用範囲が拡大し続けています。
この記事では、PBL研修とは何か、なぜ導入されているのか、実際にどのような効果があるのか、そして企業でどのようにうまく活用されているのかまで、具体的に見ていきます。
*Z世代:1990年代後半から2010年前後に生まれた世代で、デジタル環境に慣れ親しんだ「デジタルネイティブ」として特徴づけられる。

理論だけを学ぶ?実務に活かせない研修の限界

多くの企業研修は依然として「講義型」に留まっています。知識の伝達に焦点を当てた講義は、修了直後は満足度が高いこともありますが、実際の業務ではほとんど活用されません。教育の本質は知識の伝達ではなく「行動の変化」にあるべきです。そのため、現在必要なのは、実務プロジェクトを基盤に学ぶPBL研修です。

PBL研修とは?プロジェクト型研修のすべて

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PBL(Project-Based Learning)研修は、単に講義を聴くだけでなく、実際の課題を解決しながら学ぶ方法です。受講者は実務に似たプロジェクトを実行し、問題を定義し解決していくことになります。
例えばマーケターは実際のキャンペーンを企画し、プランナーは新規サービスのアイデアをリサーチからプロトタイプ制作まで実践します。この過程でチーム協業とフィードバックが組み合わさり、単なる知識ではなく実践的なスキルが身につきます。
伝統的な研修と比較すると、その違いは明らかです。伝統的な研修講義中心であるのに対し、PBL研修実践中心です。短期的に記憶に残りにくい伝統的な研修とは異なり、PBL研修は成果物を作成する過程で実際の経験を積むことで、長く記憶に残る学習が可能です。そしてこの経験は現場にすぐに応用できるため、受講者実践にサポートするものとなります。

なぜ今、PBL研修なのか?

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多くの企業が最近、PBL(Project-Based Learning)研修方式に注目しています。単なるトレンドだからでしょうか?いいえ。PBLは「成果が明確な研修」という確固たる理由があるからこそ選択されているのです。
日本国内においても、政府が推進する「リスキリング支援」や「デジタル人材育成」政策の流れを受け、従来の講義型研修から実務に直結する実践型学習へのシフトが進んでいます。特に経済産業省やIPAが推進するデジタルスキル標準(DSS)においても、「DXリテラシーを身につけ、変革に向けて行動できるようになること」「実践的な学びの場の創出」が重視されており、研修現場におけるPBLの活用が増えています。
また、コロナ禍以降のオンライン化により、時間・場所に柔軟な学習環境が整ったことも後押しとなり、単なる座学を超えて「成果物」を残す研修への期待が高まっています。企業側も「学んだだけではなく、実際に活用できるか?」という視点で研修効果を評価するようになりつつあります。
では、企業にとってPBL研修方式がなぜ効果的なのでしょうか?
  1. 実務中心の学習が可能だからです。従来の教育は実際の業務との関連性が低く、教育後の適用が困難でしたが、PBL研修は実際の企業課題を基にカリキュラムが設計されるため、教育後すぐに活用できます。
  1. チーム単位の実習を通じて、コミュニケーション力、実行力、問題解決力まで同時に養われるからです。理論中心の教育では得にくい実践的な能力が、PBL研修プロセスの中で自然に養われます。
  1. 教育成果物が残るため、費用投資対効果が見えるからです。企画案、戦略文書、発表資料など、会社内ですぐに活用可能な成果物に結びつくため、ROIの測定も格段に容易になります。

実務中心のPBL研修、実際の企業はどのように活用しているのか?

日本電気株式会社(NEC)様:実務課題を自ら解決する力を養い、業務の大幅な効率化と自動化を実現

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PBL教育の活用方法

NEC パートナーセールス統括部様では、業務効率化とAIツール活用を目的に「PBL型のAI業務効率化研修」を導入。
受講者が自ら実務に直結する課題をテーマにオリジナルプロジェクトを構築し、ChatGPTやPythonを活用して課題解決に取り組む学習スタイルが採用されました。

具体的な業務改善の成果

研修の成果として、以下のような業務の自動化と時間削減が実現:
  • 社内サイトのPDF化作業を自動化:手作業で行っていた変換作業をPythonで全自動化し、大幅な時間短縮に成功。
  • 月次データ集計作業の約80%を自動化:CSVデータの処理・件数カウントなどを効率化し、作業時間を40〜60分から数分に短縮。

業務・組織への影響

  • 業務負荷の軽減により、より戦略的な業務に時間を割けるようになった。
  • Pythonや生成AIの活用により、個人の問題解決力・技術スキルも向上。
  • 研修形式がPBL(実課題に基づくプロジェクト型)であったため、学んだことをそのまま実務に応用できた
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研修導入前から効果測定までのNEC様の詳しいインタビューはこちらから

実務プロジェクトベースのAI研修、なぜさらに必要なのか?

最近ではAI研修もPBL研修方式に拡大されています。単に生成AIの原理を学ぶだけでなく、実際のビジネス課題に適用する経験が重要になったためです。チームスパルタは企業の従業員を対象としたAI PBL研修を通じて、このトレンドに対応した研修を提供しています。
例えば「生成AIを活用したマーケットリサーチの自動化」「AIベースの投資妥当性検討報告書作成」など、実務課題を基盤に研修を構成しています。実践中心のカリキュラムと中間フィードバック、コーチングセッションを通じて、実際の業務で即活用できる成果物を完成させます。技術そのものよりも、それを実際の現場にどう活かすかという観点を重視した設計こそが、学びを実務に結びつける力を高める鍵となります。
 
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PBL研修の成功のための重要ポイント

PBL研修の成否は、どのような実務プロジェクトを選択するかではなく、たとえ小さな課題であっても現場で直面している問題を研修を通じて改善してみる経験を持ち、今後も自発的に問題を解決できるという自信を獲得することにかかっています。
過去の「受講率」や「参加率」だけで研修の効果を判断する時代は終わりました。現在は、単に学ぶことに止まらず、実際の業務に適用され成果に結びつく教育構造へと変革する必要があります。研修の目的自体を実務への転換と能力強化に合わせリデザインしない限り、急速に変化する現場のペースに遅れを取ることになります。組織の教育・研修方法を今変えなければ遅れてしまいます。
現場の課題を起点に、学びを行動へとつなげるPBL型研修なら、“学びっぱなし”から脱却し、実務に直結する成果を生み出すことが可能です。私たちチームスパルタが、その実現を全力でサポートします。
👉 スパルタが実際に企業で実施した多様なPBL研修のケースにご関心がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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